鍾馗さんしょうきさん
鍾馗(しょうき)さん
京都など関西地方では、玄関の上の小庇に付いていることが多いようですが、ここ東海地方では、お寺さんの本堂に対して正面に付けることが一般的なようです。
私がまだ見習いのころ、親方に鍾馗さんは、お寺の鬼に負けないように睨み返してつけるものだと教えられました。理由はわからないまま、そういうものなのだと思っていました。
しかし、最近になって鍾馗さんに関する文献を読んでいたところ、これはという話に出会いました。
鍾馗さんをつける理由
鬼や邪鬼、餓鬼などという悪いものは、お寺さんへ丁寧に山門から入ってくるようです。そして中に入って、邪鬼は上を見上げると、お寺さんの屋根の鬼瓦のあまりの恐ろしさに、一目散に入ってきた山門から飛び出していくそうです。飛び出した勢いのままに、正面にある家の扉を破って邪鬼がその家に入り込んでしまうそうです。
その鬼を退治してくれるのが、鬼より怖い顔の鍾馗さんという訳です。
そういえば、鍾馗さんの中には、邪鬼を踏んづけているものがありますね。
※歌川国芳の作品です。写真をクリックすると拡大します。
※2013年3月29日付日本経済新聞に掲載された関連記事(PDFファイル)